新しい論文を発表しました-2018/10/26
Fungal Biology誌に新しい論文を発表しました。東北大学、宇都宮大学との共同研究です。
シイタケ細胞壁合成に関わるリグニン分解酵素に関する論文です。
載掲された論文はこちら。論文のPDF希望の方はsakamoto @ ibrc.or.jpまでご連絡ください(@の前後のスペースを消してください)。
以前シイタケのリグニン分解酵素の一つであるラッカーゼを抑制すると、細胞壁合成が抑制され、細胞形態に異常が出ることを明らかにしていました。
本論文ではラッカーゼを抑制した株(ivrL1#32株)における細胞壁構成多糖の解析と、細胞壁合成時の細胞壁構成多糖の経時的変化を解析しました。
その結果ラッカーゼを抑制した株では、親株と比較して、顕著に細胞壁中のβ-1,3-1,6-グルカン量が低いことが明らかになりました。
また、経時的変化を親株で解析したところ、キチンは細胞壁合成初期から細胞壁に蓄積されているのに対し、培養3週間目から顕著にβ-1,3-1,6-グルカン量が増加することが明らかになりました。
今後は、ラッカーゼとβ-1,3-1,6-グルカン量が増加することの関係性について、詳細に解析を進めていきたいと思います。